2026年11月03日
「歯の根の治療を何か月も続けているけれど、なかなか終わらない」
「何度も消毒しているのに、痛みや違和感がなくならない」
「根の先に膿があると言われたけれど、このままで大丈夫?」
このようなお悩みはありませんか?
歯の根の治療(根管治療)は、むし歯が神経まで進行した場合や、根の内部に細菌感染が起きた場合に行う治療です。
根管治療で大切なのは、単に何度も消毒することではありません。
細菌をできる限り取り除き、新たな細菌を侵入させず、適切なタイミングで根管内を封鎖すること。
今回は、根管治療に欠かせないラバーダムの役割と、治療が長引く原因について解説します。
根管治療は「細菌との戦い」
歯の内部には、神経や血管が通る細い管があり、これを「根管」と呼びます。
むし歯などによって細菌が侵入すると、歯の神経に炎症が起こり、さらに感染が進むと歯の根の先にまで炎症が広がることがあります。
根管治療では、感染した組織や細菌を取り除き、根管内を洗浄・消毒した後、再び細菌が侵入しないように封鎖します。
しかし、根管は非常に細く、複雑に曲がっていたり、枝分かれしていたりします。
そのため、適切な器具と感染管理のもとで、丁寧に治療を進める必要があります。
ラバーダムは特別な治療ではなく、根管治療の基本です
医師が胸の音を聴くときに聴診器を使うように、根管治療においてラバーダムを使用することは、基本的な処置の一つです。
ラバーダムとは、治療する歯だけを薄いゴム製のシートで隔離する方法です。
お口の中には、健康な方でも多くの細菌が存在しています。
せっかく根管内をきれいにしても、治療中に唾液が入り込んでしまえば、再び細菌に汚染される可能性があります。
ラバーダムには、主に3つの役割があります。
① 唾液による細菌汚染を防ぐ
治療する歯を周囲から隔離し、唾液中の細菌が根管内へ侵入するリスクを減らします。
② 器具の誤飲・誤嚥を防ぐ
根管治療では非常に小さな器具を使用します。ラバーダムは、器具がお口の奥へ落下することを防ぐ安全対策にもなります。
③ 消毒薬から粘膜を保護する
根管内の洗浄に使用する薬液が、お口の粘膜に触れるリスクを減らします。
米国歯内療法学会(AAE)では、ラバーダムによる隔離を根管治療の標準的な処置として位置づけています。
当院では、ラバーダムを特別なオプションとは考えていません。
歯を残すために、当たり前のことを当たり前に行う。
それが、北砂こもれび歯科の根管治療に対する基本的な考え方です。
根管治療が長引くのはなぜ?
根管治療の回数は、感染の程度や根管の形態、過去の治療歴によって異なります。
例えば、次のような場合には治療が難しくなることがあります。
① 根管が細く、強く湾曲している
② 根管内の感染が十分に取り除けていない
③ 見つかっていない根管が存在する
④ 過去の治療で器具の破折片が残っている
⑤ 歯に亀裂や破折が生じている
⑥ 仮の蓋の不具合などで再び細菌が侵入している
感染の状態によっては、複数回の治療が必要になることもあります。
しかし、何度も同じ処置を繰り返しているのに改善がみられない場合には、原因を改めて調べることが重要です。
根管治療は長く続けるほどよいのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
「まだ根の先に膿があるから、もう少し消毒を続けましょう」
そのように説明されることもあるかもしれません。
しかし、根の先に炎症があるからといって、何か月も根管内の消毒を繰り返す必要があるとは限りません。
2023年に発表された欧州歯内療法学会(ESE)のガイドラインでは、無症状の根尖性歯周炎に対して、適切な条件が整っている場合には、根管内に薬剤を留置せず1回で根管治療を完了する方法が推奨されています。
もちろん、すべての症例を1回で終えるべきという意味ではありません。
重要なのは、治療回数を増やすことではなく、感染の原因を適切に取り除くことです。
原因が改善しないまま、漫然と根管治療を長引かせることは望ましくありません。
根の先の炎症は、周囲の骨にも影響します
根管内の細菌感染が持続すると、歯根の先端周囲に炎症が起こることがあります。
これを「根尖性歯周炎」と呼びます。
炎症によって歯の周囲の骨が吸収されると、レントゲン写真で根の先に黒い影として確認されることがあります。
感染が十分にコントロールされない状態が続くと、病変が拡大する可能性もあります。
ただし、治療期間が長いこと自体が、必ずしも骨の炎症を悪化させるわけではありません。
問題なのは、感染源が取り除かれないまま炎症が持続することです。
また、根管治療によって感染源を取り除くことができれば、周囲の骨が徐々に回復することも期待できます。
しかし、骨の回復には数か月から年単位の時間がかかる場合があります。
根管治療が終了する時期と、根の先の骨が治癒する時期は同じではありません。
そのため、適切な時期に根管内の処置を終え、その後はレントゲン検査などで経過を確認することが大切です。
北砂こもれび歯科が大切にしている根管治療
当院では、できる限りご自身の歯を長く残すことを目指し、基本的な感染管理と精密な処置を大切にしています。
ラバーダム防湿
根管治療では原則として毎回使用し、唾液による細菌汚染を防ぎます。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
肉眼では確認しにくい細かな構造を拡大して観察し、精密な処置に役立てています。
NiTi(ニッケルチタン)ファイル
柔軟性のある器具を使用し、湾曲した根管にも対応しながら清掃・形成を行います。
これらの設備を使用すれば、すべての歯を残せるわけではありません。
しかし、一つひとつの治療工程を丁寧に積み重ねることが、歯を残す可能性を高めるために重要だと考えています。
根管治療のセカンドオピニオンも受け付けています
「何か月も根の治療が終わらない」
「何度も治療しているのに痛みが取れない」
「抜歯が必要と言われたけれど、できれば歯を残したい」
このようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。
北砂こもれび歯科では、根管治療に関するセカンドオピニオンも受け付けています。
現在の歯の状態や治療経過を確認し、必要に応じてレントゲンや歯科用CTなどを用いながら、考えられる原因と治療の選択肢をご説明します。
歯の状態によっては、再根管治療や外科的な処置、抜歯が必要となる場合もあります。
大切なのは、患者さんご自身が現在の状態を理解し、納得して治療を選択できることです。
まとめ|根管治療は「何回通ったか」より「何をしたか」
根管治療で重要なのは、細菌を取り除き、新たな細菌を侵入させないことです。
ラバーダムは、そのための基本的な感染対策の一つです。
また、根管治療が長引いている場合には、単に消毒を繰り返すのではなく、なぜ改善しないのかを見極める必要があります。
当たり前のことを、当たり前に、丁寧に。
北砂こもれび歯科では、患者さんの大切な歯をできる限り残すため、基本を大切にした根管治療に取り組んでいます。
江東区北砂・南砂町・東砂周辺で、歯の根の治療や再根管治療についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
北砂こもれび歯科
東京都江東区北砂
根管治療・再根管治療・セカンドオピニオンに対応しています。
